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光造形にニューカマーのお知らせ
工場長の佐々木です。
本日は光造形式の3Dプリンターに新メンバー加入です。
その名も Elegoo Saturn3 Ultra !
こちらの特徴を端的に申しますと、
光造形でありながら高速造形対応した機種となっています。
まずはこちらをご覧下さい。
この機敏な動き!
そもそもこの種の光造形の仕組みとしては
紫外線で硬化するレジンが溜まったバット(底面は透明なフィルム)にテーブルを沈めた後、僅かに浮かせ。その僅かな隙間(0.05mmとか0.1mmとか)に本体下部から紫外線を照射、そしてまたちょっと浮かせて次の照射…
を繰り返して造形していく訳ですが、この繰り返しの作業の時に何が行われているかと言えば、沈めたテーブルにUVを硬化、定着させては底面のフィルムから引っ張り剥がす。という作業の繰り返しになります。
想像するだにそんな上手いこといきます?と心配になって仕方有りません。
金属のテーブルにくっ付いて、フィルムにはくっ付かないだなんてそんな上手い話しがありますか?と。
実際、テーブルへの定着が上手くいかず、フィルムに持って行かれてしまい造形物が剥がれ落ちる。なんてことは本当に良く有る話しです。
で、この Saturn3 なのですが、底面のフィルムが第三世代と言われるフィルムに進化しており、UVの透過性を活かしたまま剥離がしやすいという優れものになっています。
そうなると何が良いかって
・造形物が落ちにくい。
・テーブルの上昇/下降スピード上げても大丈夫
・フィルムに引っ張られないので造形物が伸びにくい
結果、従来機に比べ2倍、高速造形対応のレジンを使用すれば3倍の速度が出せる様になり、精度も向上しました👏
良いことづくめ!
…ただしフィルムの価格は5倍です。
うぇーい。
それでは作例をご覧下さい。
素晴らしい。
このチェスの駒はの高さは50mmですが、0.1mmのピッチであれば40分ちょっとで出来上がります!凄い!
ちなみに高速造形用のレジンであれば更に早く30分程度です。わーぉ。
高速造形対応のラピッドタイプレジンはクオリティを犠牲にして少しヌメっとした印象…
レジンは405nmで硬化する従来の物がそのまま使用できます。
色つき、透明ともにとても綺麗です。
スライサーは今のところChiTuBoxが推奨で、0.05mm、0.1mm用のプリセットが用意されています。
造形可能サイズは
218.88(幅)×122.88(奥行)×260(高さ)mm
10インチの液晶に12K(12Kて!)の解像度です。ウルトラの名に恥じませんね。
別のモデルで
0.05mmと
0.1mm
肉眼では全く違いが分かりません。
というか…剣の柄!
出てはいけないレベルでは無いだろうか…
(一応2mm以下の厚みは造形できないよとスライサーに警告されますので出さないでください)
いかがでしょうか。
僅かにベルトのバックル等細かな装飾に差が…分かるかな?
いやほんとに肉眼では分かりません。
0.05の設定でこのおじいさん、3時間半くらい。
0.1mm設定ならばこの半分の時間で出ますので、これならスピード優先で充分だなぁと思いますが、まぁそこはお好みで。
いやー、優れもの。
出力後の工程はPhotonと変わらずIPA(アルコール)での洗浄、UVランプでの二次硬化となります。
(水で洗えるレジンも試してみたのですが、色に寄って硬化不良がおきてしまい導入は見送りました)
テーブルサイズが大きいので、取り扱いには充分お気をつけ下さい。
(絶対レジンが垂れるから!)
価格は導入記念でしばらく据え置き。
とはいえその内ちょっと上がると思います。
以上、新人のご紹介でした。今のうちに是非お試し下さい。