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レーザー加工機を使って、歯車カレンダーを作りました。
ワークショップといえば、りょんさんの壁掛け時計が素敵です。
こんなのできたらいいな~と部屋の中をさまよい、目に入ったのがこのギアです。
機能美の象徴というか、男の浪漫ですよね。
この浪漫、cre8なら具現化できるレーザー加工機があります。
しかも、歯数はもちろんモジュール値や加圧角まで手軽に変更できる、ギア設計専用ソフトがあるという情報を入手しました。
ということで、企画作品2は
『タイムマシーン』(できれば初代ドラえもんの声で)
31枚歯の日付ギアと7枚歯の曜日ギアが組み合った、
日まわしカレンダー(手動)です。
プレゼン用に試作したタイムマシーン1号機は、こちら。
2日間でガーっとレーザー加工機を使って企画提案用につくったものです。
中はこうなっております。
プレゼンの結果、以下の課題をクリアしながら制作を続行することになりました。
課題1. 大の月と小の月
ニシムクサムライの月末には日付ギアを1日分ずらす必要があって、
当初原始的にギアを外してはめ直す、という取扱になっていました。
これをもっとスマートに処理する方法を考える宿題をいただきました。
そして、課題2. ギアのデザイン
歯数が大きく異なるために、日付ギアが大きい割に曜日が小さくて収まりが悪くなっています。
見るべき箇所(当日の日付と曜日)が全体に対して小さいので、窓を開けてみましたが、
サイズも含めて視認性を向上させる工夫が必要です。
課題3. 外見のデザイン
ギアを前後板で囲んでしまいましたが、むしろギアを見せたほうがカッコよさそうです。
課題1. 解決策 バネ
日付ギアをバネで浮かせておいて、
月末に日付ギアを押し込んで曜日ギアをくぐらせることにしました。しかし、バネって単品でなかなか売っていないのです。
休日も手芸店、百均を探し回りました。
(そしてついつい別の加工素材を買ってしまいます。)見つけたのは、電池ボックスのバネ。こちらを分解して拝借しています。
課題2. 解決策 全体のサイズを拡大
2号機は1/2のスモールスケールで作成しました。左の大きなものが日付ギア、右上が月ギア、右下最小のものが曜日ギアです。
壁掛け仕様にすることで、大きくても置き場所に困らないようにしました。
月のギアも加えることで、
中心に見るべき箇所(日付と曜日ギアの噛み合った部分)を配置しました。
課題3. 追加条件 背面へ固定
壁掛けとし、かつギアを見せるために、軸で前後を固定する必要が生じました。
側面からのぞくとこのように層状に積み重なっています。
互いに干渉しないように、噛み合うように、配置します。
そうして、いよいよ
タイムマシーン3号機を実物大で作成することにしました。
【パーツ】
4 mmのMDFと片面化粧板MDFからレーザー加工機で切り出しました。
小さい物ばかり切ってきたので、大きい物を切るのには勇気がいりました~。
でも切り心地がよかったです。
化粧板付きは切りにくいので、厚さ設定をMDF 6 mmに増して切断しました。
軸は直径6 mmのダボ、スペーサーに直径3 cmの円盤を多めに準備します。
【仮組み・パーツ組み立て】
位置を確認しながら、木工用ボンドで接着していきます。
バネはコンクリート・金属用接着剤「ボンドK120」で一晩かけてしっかりつけます。
2号機より大きいので、
日付ギアが安定するように陰に隠れる位置に分散させて配置します。
ダボは半分の長さにカッターで切断します。
垂直になるように3 cmスペーサーを積み重ね、その穴に立てて接着します。
これで1号機は斜めになったので、ここ、重要です。
また、月のギアは日付ギアに乗せた1枚歯のギアで動かします。
同じ12枚歯のギアの歯をコピーして適当な直径の円上に配置して設計しました。
この追加した月ー日付関係が曲者で、
12枚歯ギアの直径や中心感距離そのままでは巧く噛み合わず。
ここが、一番大変でした。
2号機で1枚歯ギアの試作を繰り返し、その成功値を3号機に用いました。
また、日付ギアと月ギアが直接触れないように、
兼装飾のスペーサーで1枚歯ギアは浮かせてあります。【文字】
文字はどうしようかと最後まで迷っていたのですが、
ダイレクトUVプリンタで印刷することにしました。
日付ギアと曜日ギアの当日位置(以降、「Today」とする。)の場所を決め、
日付ギアの中心に対する日付文字の角度を決めてから、これを回転コピーしました。
シンプルに文字のみにしたので、作業は思ったより簡単でした。
もっと凝るならば、
紙に文字を美しく印刷して、カッティングプロッタで切り抜いて、
それを適当な角度に配置するのもありだと思います。
また、曜日ギアは前面に積み重ねても障害がないため、
(下は日付ギアが潜るので不可!)
アクリルを一回り大きい花形に切り出し、文字サイズをできるだけ大きくしました。
【位置合わせ】
「Today」の位置から、月ギアが一コマ動くタイミングを調整します。
今回は縦書きに月が表示される位置を当月と決め、
そこから各ギア中心の位置関係と合わせて、
28日と29日の間に1枚歯を配置しました。
また、月ギアが空回りしないように、12枚歯のギアを余分に噛ませます。
(上の写真で右端のギア)
この位置は適当です。
【接着】
2番目に苦労したところは、接着です。
化粧板への接着が木工用ボンドでもG17でも翌朝には外れてしまって、
せっかく調整した位置合わせが無駄になることがしばしばありました。
結局、K120で主要部分は接着されています。
化粧板は鑢がけをして削ってから接着するという技をりょんさんから教えていただきました。
接着、木材でも難しく奥が深そうです。
これでダメなら背面板に穴をあけないとダメかも、、、。そんな時のために、
工作室のこの道具も、さちさんに教えていただきましたが、今回はなしで。
いよいよ完成間近です。
【Today】
より見やすくするために、拡大を試みます。
ルーペのレンズを分解して、アクリルとMDFで挟み、日付が入るように曜日ギアの軸に固定します。
接着剤を隠すためにMDFにしましたが、
レンズが絶妙な大きさで、曜日が隠れてしまいます。
、、、断念。
いかがでしょうか。
邪魔!なくらい大きいものが出来上がりました。
いろいろと工夫足りないところがありますが、
cre8初心者が一から作り上げたにしてはよくできたと思いませんか?
かく言う作った自分が「私はこんなものを作っていたのか。」と驚いています。
そして、最後に御礼を。
企画の実質制作時間は短いものでしたが、
構想を練るためにいろいろと試させていただきました。
やりたいことだらけで、充実した楽しい実習を過ごさせていただきました。
cre8に集うみなさん、ありがとうございました。